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ここ数年の医療の進歩により、粘膜内の早期胃癌は大部分内視鏡で切除できるようになりました。難易度の高い粘膜内早期大腸癌の内視鏡下切除も普及しつつあります。患者さんの生命予後だけでなく、治療負担の軽減という意味からも、ますます定期的な検査による早期診断が重要となってきています。当院で行っている大腸内視鏡挿入法は、世界的名手中目黒消化器クリニック田淵正文先生の無送気浸水挿入法(今はやりの軸保持短縮法という方法の原点になっている方法で実質的には同じもの)が基礎になっており、軽く静脈麻酔を併用することにより、大多数の方は苦痛なく検査を受けることができます。
開院7年目の平成19年5月から平成20年4月の間に当院で施行した大腸内視鏡の検査件数は、333件でした。開院から7年間の累計では1634件となり、盲腸到達率は99.9%と内視鏡のみを専門としているクリニックと同等又は同等以上です。なお胃内視鏡の検査件数は1年間で674件とほぼ昨年並みでした。
当院では胃と大腸の内視鏡検査を一度に続けて行っており大変好評を得ております。医療費と時間が共に節約でき、忙しいビジネスマンには特にお勧めです。内視鏡前処置終了後に御来院いただき、軽く静脈麻酔をかけた状態で胃、食道→大腸の順に連続して行います。自宅での下剤の内服に不安のある方は、来院後クリニックでお飲みいただくことも可能です。液体の下剤の苦手な方は、錠剤をお好きなお茶や水でお飲みいただき腸洗浄をする方法もあります。大腸内視鏡検査をお受けになる方の半数以上は効率の良い胃大腸内視鏡同日検査をご希望で、半分眠っている間に両方の検査を効率よく受けることができ、所要時間は両方で約20分です。大腸ポリープの切除も適宜施行しています。浅い麻酔ですので大部分の方は検査終了後すぐにお帰りになれます。大腸内視鏡検査は、ご希望の方が増えており1ヶ月程度の待ち時間となっておりますが、緊急例は臨時枠で対応いたしますのでご了解下さい。
経鼻式内視鏡の採用は??
経鼻式内視鏡、楽に胃内視鏡をしたいというニーズにこたえ直径5.9mmの細い内視鏡が発売されています。私の記憶では15年ほど前にもメーカーが開発しましたが、このときは、画質が悪く診断能力に問題があり医療現場ではほとんどみかけませんでした。ところが、フジノン東芝システムでは最近胃カメラ販売の8割程度がこの細経内視鏡になっているというので、今回試用を行いました。画像を見た内視鏡の補助をしている看護士の「今のより画質が落ちるのを買うのはちょっと」という的確な助言の結果、当院では経鼻式内視鏡の採用はあえなく却下されました。あの画質で本当に微妙な早期胃癌の診断で経口と差がないのかという疑問は残ります。内視鏡学会では経口内視鏡と比べ診断率が劣るという意見が優勢です。はっきり結果が出るまで当院では経鼻式内視鏡は当分採用しそうにありません。結局、毛細血管まではっきり見える直径9mmの高解像度内視鏡を購入、検査は9mmでも楽にできるのでご了解いただきたい。当院で従来からやっている経口の胃内視鏡検査を見ていたフジノン東芝システムの営業の方から、先生のやるのは苦しそうでないので先生は経鼻を買う必要はないよというありがたいコメントもいただきました。どうしても経鼻式内視鏡をとご希望の方には近くにやっているところが何件もありますのでそちらをご紹介できます。
内視鏡検査はどの程度の頻度でやったほうが良いか??
私は胃は毎年、腸は2-3年に1回程度が最適だと考えていますが、患者さんにはそれはご本人のお考えしだいだとお話しています。両親、兄弟、親戚を見渡しても誰も癌になっていないのにそんなに頻繁にやる意義があるのか?血縁には脳梗塞の人が多いのに胃腸ばっかり調べても?など個人個人差があります。ご自分が納得するようにご本人にお決めいただくのが一番だと思います。
胃のレントゲン検査をやったから内視鏡は必要ないか??
こういう方には胃のレントゲン検査を毎年やるより2年に1回内視鏡をやったほうが良いというエビデンスがあるとお話しています。内視鏡で取れる早期胃癌の多くはレントゲンでは診断のつかない表面平坦で、色調の変化だけで見つかる微妙な病変です。内視鏡下切除が今は当たり前のようになっていますが、10年前はトライアルでした。この新しい治療法で治せるように、早期発見のための毎年の内視鏡検査が欠かせないと私は考えています。胃のレントゲン検査は胸のレントゲン検査の50-200倍の被爆量があり、同じ程度の被爆量であるCT検査と並んで私のあまり好きでない検査です。医者で胃のレントゲン検査を胃カメラより好んで受けるという話は聞いたことがありません。ついでに言えば大腸に注腸というレントゲンの検査法がありますが、これは私の学生の頃に有名教授が退官記念講演でもっとも誤診率の高い検査と切って捨てた検査法で、まったくお勧めできません。もちろん医者はまず受けません。
カプセル内視鏡は有用か??
最近カプセル内視鏡という言う検査法が行われるようになってきました。PETという検査が万能検査法のように言われた時と同じように私はこの検査法に専門家として非常に疑問を感じます。PETは胃カメラより劣るし、大腸内視鏡より劣る。肺のMRIより劣るし、甲状腺超音波検査より劣る。前立腺のPSA検査より劣る。ではいったいPETというのはどこの癌を見つけるための検査なのか??なにしろ頻度の高い癌はすべて個別検査にかなわないのですから。同じことがカプセル内視鏡でも言えるのです。胃や腸の検査は明らかに個別検査に劣ります。つまり小腸のための検査法なのですが、小腸の悪性疾患はかなりまれで、早期発見でもしようものなら学会発表ものです。カプセル内視鏡は学会発表になるような珍しい疾患のための検査法なのです。こんな検査が広く行われるようになるのか??私は結果は見るまでもないと思っています。
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